武庫之荘のトールペイント教室「STUDIOシャトル」講師・中村さとみさんインタビュー


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武庫之荘をはじめ兵庫や大阪の教室でトールペイントを教えるSTUDIOシャトル講師・中村さとみさん。

明るく素敵な笑顔でおしゃべりを交えながらの楽しいレッスンで、生徒さんは心も元気になって帰っていくそうです。

トールペイントの魅力や、トールペイントを通じての中村さんの想いについてお話を伺いました。

(聞き手:ライター 山崎恵里  撮影:株式会社マインドアイ 椋本庄治)

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【プロフィール】

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STUDIOシャトル代表・中村さとみ(なかむらさとみ)

1958年生まれ。兵庫県尼崎市出身。1993年よりSTUDIOシャトルを主宰し、アトリエや関西各地の教室でトールペイントを指導する。

オランダのアッセンデルフトの第一人者Sylvia Kuiter氏に師事し、2003年日本人で初めてアッセンデルフターの公認を受けるほか、ヒンダローペン、ポタリーペインティング、ハワイアンなどさまざまな技術を修得。

サン-ケイ主催イヤーズプレートコンテスト1999銀賞受賞。2006年9月アトリエビュートレンブラント現代の芸術家による光と闇展で、レンブラント生誕400年記念芸術賞受賞。うめだ阪急本店や大丸心斎橋店での個展のほか、STUDIOシャトルとして数多く作品を出展。著書に「中村さとみのオランダフォークアート」「ハワイアントールペイント&ステンシル」など。カウンセリングやコーチングを取り入れ、ペインティングを通しての幸せ発見を提案する。

JDPA(日本デコラティブペインティング協会)講師会員、米国SDP会員、(財)日本手芸普及協会ペイント部門講師会員、DecoArt社Helping Artist、jMEA講師会員、(財)日本余暇文化振興会監修・認定トールペイント技能認定本部講師、幸せ発見コーチ。

◎STUDIOシャトルホームページ:http://www.eonet.ne.jp/~shuttle/index.html
◎ブログ:http://ameblo.jp/happy-shuttle/
◎Facebookページ:https://www.facebook.com/shuttle1993

木や金属に描く、ヨーロッパ生まれのトールペイント

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山崎:トールペイントとはどういうものでしょうか?

中村:トールペイントにはいろいろな国のものがあるんですが、もともとはヨーロッパで生まれたものです。

その後アメリカへ移民の人々によって持ち込まれて。アメリカは新しい国なので。古典的なトールペイントもありますが、その後他の国に渡って変化しているんです。

オランダ、フランス、ドイツ、アメリカと…少しずつ描くモチーフが違うんです。

山崎:絵を描くのは絵の具を使うのですか?

中村:基本的にアクリルペイントを使います。

山崎:陶器にも描いたりするのでしょうか?

中村:それはポタリーペインティングというまた別の技法ですね。トールペイントは正式には「トール&デコラティブペインティング」と言います。

「トール」はもともと「金属に描く」という意味で、今は見かけなくなったけれどもブリキ缶に絵を施していたんです。そして「デコラティブ」が「木に描く」という意味で。

山崎:STUDIOシャトルのアトリエにはいろいろな作品が置いてありますが、よく見ると色使いとかが違いますね。

中村:オランダやオーストリア、フランス、ドイツ、ロシア、アメリカ、ハワイアンといろいろな描き方があって、ほとんど私の作品です。「ハワイアントールペイント&ステンシル」などの本も出版しています。

山崎:いろんな描き方を習得されている中でも、先生はどんな作風がお好きなんですか?

中村:最初はアメリカンから入っていったんですが、細かく描くよりも、「ざっくり楽しくその代わりポイントは押さえる」描き方が好きですね。明るくてかわいい、愛らしい感じのものがいいですね。

家業、育児、家事に追われながらトールペイントに没頭

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山崎:トールペイントを始められたのはいつからですか?

中村:20数年前ですね。で、教え始めたのは23年前の1993年です。

山崎:そしたら、ほんの数年で生徒さんを持つようになったんですね。

中村:それはもう若い頃なんか寝ずに描いていましたし、ものすごい集中力がありましたからね。

山崎:幼い頃から絵を描くことが好きだったんですか?

中村:もともと家は米屋で、家族が留守がちだったから一人で過ごすのが寂しかったんです。それで一人の時間にはお絵かきや手芸をしていました。

小学校2年のときには刺繍をやっていましたね。刺繍の糸や布なんて今よりも高価な贅沢品だったのに、母は道具を惜しみなく買い与えてくれていたんです。

山崎:それが今に至る原点だったんですね。

中村:その後今の主人と結婚して、後に家業を継いだんですがほどなくして父が亡くなったんです。2人目の子どもがお腹の中にいた頃で、もう自分の時間がほんとに皆無でしたね。

仕事をしながら主人と二人で子育てをして。3人目が生まれたときにようやくパートさんを雇えるようになって、パートさんが来ている間だけ自分の時間ができたんです。

もちろん帰ったらまた仕事に戻りますよ。とにかくよく動き回っていて、睡眠時間が短くても大丈夫でしたから。

それで、お絵描きが好きなママ友を誘って一緒にトールペイント教室に習いに行くようになったのが始まりでした。

山崎:トールペイントの魅力はどんなところにあったのですか?

中村:「美しい部屋」という雑誌にトールペイントの特集が載っていて、近くに教室があるのをそこで知ったんです。トールペイントの魅力は「マネ」でいいことなんです。

見本にあるパターンを写して、何色を使ってくださいと絵の具の番号の指示通りに塗ったらできてしまう。

絵が描けない人でも簡単に描けるんです。そこから私は自分オリジナルのデザインも作っていって、後に私はインストラクターになりました。そして一緒に通っていたママ友は、私のところに習いに来るようになったの。

山崎:そうだったんですね。そのお友達がSTUDIOシャトルの生徒さん第1号なんですか?

中村:いえいえ、私は子どもが3人いるからママ友もいっぱいいてね。5人集めて体験レッスンをして「気に入ったら習いに来てね」と声をかけて生徒さんをどんどん増やしていきました。

山崎:ものすごく積極的に動かれていたんですね。

中村:学生時代からグループの中心で動いたり、人前でしゃべるのも大好きだから、全然苦にならないんですよ。

とにかくトールペイントが好きだから寝ずに描いていましたね。家業の仕事や子育て、家事にも追われて忙しかったけれども、当時30代で若かったからすごい集中力があったんですよ。

山崎:その後、オランダのアッセンデルフトなど海外のさまざまな技法を習得されたのですか?

中村:そう、私の師匠はオランダ人なんです。オランダに通ってアッセンデルフトの技法を習得しました。

今もヨーロッパ各地へ定期的に研修に通っています。トールペイントはもともと日本のものではなくヨーロッパのものだから、やっぱり現地で学びたいじゃないですか。

トークライブさながらの楽しいレッスン

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山崎:STUDIOシャトルのレッスンは、こちらの武庫之荘のアトリエでされるのですか?

中村:今はつかしん、西宮、三宮、梅田、吹田、堺、八尾の7か所のカルチャーセンターで教えているのがメインで、このアトリエでも月に数回は予約制でレッスンをしています。

この拠点では他にもFacebookや英会話、占い、食に関するセミナーを講師を招いて開催しているんです。私にとっても興味深い内容が学べて楽しいですよ。

山崎:生徒さんはどれくらいのペースで習いに来るのですか?

中村:月に1回か2回で、1回あたり2時間から3時間と教室によって時間は違います。人間が飽きないで続けられる時間が2時間で、3時間になると気分転換がいると言われていますからね。

山崎:それくらいのペースで良いんですね。毎週通うものだと思っていました。

中村:今の時代、トールペイントの先生になりたいという人はいないですね。昔は先生を目指して週3回とか通いに来た人もいたけれども。

山崎:生徒さんは家でも描いているんですか?

中村:皆さんなかなか家では描かないものですよ。他にもいろいろとやることがあって忙しいじゃないですか。

だから最近は教室に来たときに描きたいという生徒さんが多いですね。もちろん作品展の前とかになったら別。教室以外の時間も頑張って仕上げてきますよ。

山崎:教室ではどういう感じで教えているのですか?

中村:私は教室でずーっとしゃべっていますよ。レッスンはまさにライブなんです(笑)。

山崎:どんなお話をされるのですか?

中村:こんな人に会ったというエピソードとか、こういう風に考えて行動したら幸せですよといった、ためになるお話をいろいろとしますね。

山崎:ずっとしゃべっていて疲れないんですか?

中村:いえ、しゃべるのが好きなんです。静かにしていると、生徒さんから「どうしたんですか?」って言われる。私の話はBGMになっているんですよ(笑)。

山崎:話もしながら、生徒さんが描く手つきとかも見るんですか?

中村:そう、手も見ていますよ。ちょっと困っていそうな顔をしている生徒さんを見たら「○○さん、どうしたん?」って言う。

言われた方は「えっ?」ってドキッとするみたい。本人は見られていないと思って描いているのね。私がしゃべっているから。BGMだから(笑)。でも、ちゃんと生徒さんを見てるんです。

山崎:それは長年の経験なんでしょうね。

中村:ジーッとは見ていないけれども分かるのよ、表情が。困ってはるわ、とかね。私は勘が鋭いタイプなんでしょうね。

「描けなかったらどうしよう」と不安に思う人もいるから「必ずできるよ!」と先に言うと、みんな本当にできる(笑)。そういう気の流れも整えながら、生徒さんに描いてもらっているんです。

山崎:気の流れも大事なんですね。

中村:そうなの、だから教室が終わったらみんな元気になって帰っていくんですよ。だって家に帰ったら奥さん、お母さんとしてえらいじゃないですか。

でもここに来たら甘えたい、「先生分かりませ~ん」って頼りたい心理がどこかにあるんでしょうね。毎日生活していたらいろいろあるけれども、ここでリフレッシュしていって。

それで帰ったら家事や育児、介護、仕事をまた頑張って…で、また教室に来るのが楽しみと思っている生徒さんが多いですね。

山崎:すごいですね。

中村:私は単に絵を教えるだけでなく、癒しを与えられたらと思っていろいろな話をするんです。10年、20年と通っている生徒さんも結構いますよ。

教室を始めた当初から来ている人もいれば、今年入られたばかりの人もいる。だからいろんな人が一つの教室で違うことをしているんです。

山崎:皆さん違うことをされるんですか?

中村:そう、その人に合わせたことを教えているんです。

トールペイントは心のストレッチ

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山崎:個展などはどのくらいの頻度でされるのですか?

中村:STUDIOシャトルとしてのグループ展は2年に1回開催しています。100名ほどの生徒さんによる展示会ですね。

これとは別で、今度6月2日~4日にはトールペイントの最大級のイベント「JDPA大阪コンペティション」に出展します。生徒さん20数名の作品を展示するほか、中村さとみ個人のブースも出します。

また、これまで阪急百貨店や大丸で個展を開催していて、今後もやりたい気持ちはありますね。

作品をたくさん作るのにものすごいエネルギーがいるので、体とも相談しながらになりますが…。

山崎:将来的にSTUDIOシャトルの後継者になりそうなお弟子さんはいますか?

中村:いえいえ、トールペイント界をピラミッドのようにしたくないから独立してもらいます。

ただ、これまで数人独立している中で、先生として継続的に教えている人は2人だけです。免状をもらっても、生徒が集まらないから教えられない。そんなに甘いものじゃないってことでしょうね。

それに、たまたま私はこんな風にしゃべるスタイルで教えているけれど、他の人が私と同じことをするのは難しい。だから私一代限りだと思います。

STUDIOシャトルという名前は、私の子どもたちがトールペイント以外の何かに繋げてもらえればそれでいいかなと思っています。

山崎:3人のお子さんの中で繋げてもらえそうな動きとかはありますか?

中村:男、女、男とみんな立派な大人になっていますけど、真ん中の娘が最近革細工を始めたんですね。

それもホビーとしてではなくて、ちゃんとした製品になりそうなレベルのものを作っていて。

で、「お母さんに言おうかどうか迷ったんだけど、作品の刻印をSTUDIOシャトルにしてもいいかな?」と娘から聞かれたときはもううれしくて涙が出ましたよ。

今は製薬会社でMRとして働いているし、将来私みたいになるのかどうかもわからないけれども、そうやって自分の作品にSTUDIOシャトルの名前を付けてくれるならばそれでいいなと。

別に絵は教えてもらわなくていいけれども、子どもたちにはどう生きていったらいいのか、いろんな形で伝えていきたいですね。

山崎:いいお話ですね。

中村:そうやって私の姿を子どもに繋げたい。で、作品というのは自分が亡くなった後も残るかもしれないところがいいんです。

100年後とかに自分の描いたものがどこかから出てくるかもしれない。関西淡路大震災の時だって、木に描いた作品は落ちても割れなかったんです。

山崎:木は丈夫なんですね。

中村:そう。作品は残るのよ、それがいいんですよね。描くことで神経細胞が活性化されて心もきれいになるし、ボケ防止にもなる。描いていてもうれしいし、作品に残ってもうれしいですよね。

とにかくうれしいことしかないんです。STUDIOシャトルのキャッチフレーズも、「暮らしにhana*を咲かせましょ。日常(ふだん)がはずむトールペイント」ですからね。

山崎:私もトールペイントをやってみたくなりました。

中村:コツコツと時間をかけて描いたものが、実用品として使えるところがトールペイントのいいところ。飾るだけじゃなくて、お盆や時計、ウェディングボードなどいろいろなものに描いて、生活に使えるんですよ。

山崎:最後に、今後の目標などがあれば教えてください。

中村:来年には、トールペイントを知らない人にも親しみやすいエッセイ風の本を出版したいのが目標ですね。手作りの大切さを伝えていきたいんです。

生徒さんに最近言っているのは、「トールペイントは心のストレッチ」。体のストレッチはジムに行くとか方法があるけれども、心をストレッチする方法はなかなか見つからないものなんです。

ぜひ一度体験に来てくださいね。心が元気になりますよ!

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<JDPA大阪コンペティションに出展します!>

◎日時:2016年6月2日(木)~6月4日(土)10:00~17:00(最終日は15:00閉場)
◎会場:グランキューブ大阪(大阪国際会議場)イベントホール3F 
    大阪市北区中之島5丁目3番51号 http://www.gco.co.jp
◎入場料:無料
◎主催者名:日本デコラティブペインティング協会

<トールペイントを始めませんか?>

体験教室も有り。詳細は電話かメールでお問い合わせください。
STUDIOシャトル
尼崎市南武庫之荘5-10-12
TEL 090-1221-7390
e-mail:shuttle@gaia.eonet.ne.jp


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